荒尾商工会議所だより198号
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 新年明けましておめでとうございます。 令和7年の新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。 皆様におかれましては、健やかに新年を迎えられたことと心からお慶び申し上げますとともに、旧年中は、当所の運営・活動にあたり、格別のご理解とご協力を賜り心よりお礼申し上げます。 さて、昨年は国内外ともに不透明かつ混迷の度合いが深まった1年でした。世界ではロシア・ウクライナ問題の長期化に加え、中東情勢の悪化など地政学的リスクが拡大し、また、経済面では米国経済が堅調さを維持する一方で、中国経済の停滞が懸念される年になりました。 国内の経済・社会に目を転じますと、歴史的円安や物価高が続く中、設備投資は好調で日経平均株価も史上初の4万円台を記録し、日本銀行はマイナス金利の解除に踏み切るなど金融政策にも大きな転換点が訪れました。特に昨年は「賃上げ」をテーマとした1年でもあり、中小企業の賃上げ率も3%台半ばに達するなど、物価と賃金の好循環に向けた大きな一歩を踏み出した1年であったと思われます。しかしながら、賃上げを行った中小企業の約6割が収益改善を伴わない中で、人手確保のための防衛的賃上げを迫られたことも事実であり、現在議論が活発化している基礎控除等の引き上げや従業員の社会保険加入基準の見直しなども含め、賃上げの流れをいかに持続可能な形に転換するかが、停滞から成長のステージに向けた大きな課題になると思われます。 一方、地域の動向と致しましては、県内における世界的な半導体製造メーカーである「TSMC」の進出について、第1工場が今後本格的に稼働する予定で、また、第2工場についても今春から建設工事が始まる予定であり、世界的な半導体需要の高まりを受け周辺地域への関連企業の更なる進出が予想されます。荒尾市においてもすでに竣工した誘致企業もあり、昨年9月には初の外資系企業となる半導体関連企業の工場新設に係る立地協定が締結され地域経済の追い風となることが期待されています。 また、競馬場跡地で整備が進む「あらお海陽スマートタウン」では、すでに稼働をはじめた施設や住居も増える中、「道の駅」、「保健・福祉・子育て支援施設」の整備や、今春の開業に向けて民間大型商業施設の建設工事が進むなど、有明海沿岸道路の早期整備による相乗効果が期待されています。 この有明海沿岸道路は、福岡県内の区間は全線がすでに開通し、今後は熊本県側や佐賀県側での整備が予定され、昨年2月には荒尾総合文化センターにおいて「荒尾道路」の中心杭打ち式が行われました。 この荒尾道路は、現在、「三池港IC連絡路」として工事が進められている競馬場跡地までの整備から更に南側に続く2.2kmの区間であり、いよいよ熊本県側の本格的な整備が始まりました。三池港IC連絡路の整備が完了すれば、九州佐賀国際空港をはじめとした福岡・佐賀方面からの観光客誘客に大きく寄与するものと期待しておりますし、南側の長洲町や熊本市への整備が進めば市民生活の利便性向上だけでなく、防災面や経済活動への大きな効果が見込まれるところであり、当所としても県北地域の経済団体で組織した「有明海沿岸道路「荒尾・玉名地域」整備促進期成会」とも連携し、関係自治体のご支援もいただきながら引き続き関係機関への要望を実施してまいります。 このような中、荒尾商工会議所と致しましても、その役割を果たすべく経営環境の変化に対応する中小・小規模事業者への支援を強化し、経営改善普及事業を実施してまいりました。また、地域経済の活性化を図るため、昨年11月よりスマートフォンアプリ「AraoPAY」とQRコード付きの「カード」によるプレミアム付電子商品券を発行し、荒尾市だけでなく近隣地域の消費者にもご利用頂く事で地域の商業・サービス業の皆様にも一定の経済効果をもたらすことができました。 商工会議所の全国組織である「日本商工会議所」では、『地域とともに、未来を創る』という理念が示されており、荒尾商工会議所でも小規模企業振興基本法に基づいた「経営発達支援計画」を積極的に推進し、中小企業・小規模事業者の支援強化に取り組む一方、地域総合経済団体として地域商工業の総合的な改善発達と福祉の増進に資することができるよう、相談・指導体制を強化し一丸となって尽力し、それぞれの地方が発展することで日本の再生につなげていきたいと思います。 結びに、本年が皆様方にとりまして輝かしい1年になりますことを願い、更なる飛躍の年となりますようご祈念申し上げ、新年の挨拶といたします。荒尾商工会議所会頭令和7年1月発行会議所だより新年のご挨拶02髙 木 洋 一

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